読書好きな方なら、バイブル的な本を一冊はお持ちなのではないでしょうか。 心の支え、生き方のお手本、仕事上の専門的な指針など、その意義は人により様々かと思います。 さて、私のバイブルは、アガサ・クリスティの『ゼロ時間へ』です。アガサの本と出会…

独身時代、有休はほぼ旅行に注いでいた。同期のJちゃんと予定を合わせて。行き先は海外に特化。日程は１週間から10日。思えば、理解ある職場だったものだ。今さらながらありがたく思う。その時は「お土産代が大変！」としか考えていなかったのだけど…。 Jち…

子供の頃は、「人の真似をするのはダサい」という風潮がクラス内に当たり前にあった。 『オリジナリティこそ正義！』 そう信じて疑わなかったのである。 実際、誰かが人の真似をすると、「お前、マネするなよ！」などと、からかわれたり批判されたりしたもの…

小学生の頃、クラスに少し変わったNくんという男の子がいた。大きい音や声が苦手で、後ろから急に話しかけられるとパニックになり、教室から走って出ていってしまう。 学校には中庭に小さな池のようなものがあったのだが、その側を通る時にNくんがよろけたの…

数学は苦手だが、ある数式だけは昔から好きだった。 「マイナス✕マイナス＝プラス」 現実に当てはめてみると、そう簡単にはいかないのだろうが、なんだか希望が持てる響き。 苦境に立たされた時、この数式に人生を重ね合わせて、救われた方も多いのではない…

夫はウルトラポジティブ人間だ。口癖は「大丈夫」。自分に対しても、人に対してもとにかく多用する。 例えば、こんな感じ。 夫におつかいを頼んだ物のうち、一番必要だった卵が袋に入ってなかった、ある日のやりとり。 「ねえ、卵は？」 「あー、大丈夫大丈…

基本的に、人と争わない主義だ。 だが、人はことあるごとに争いをしかけてくる。争わずして成長はないと説く人もいるが… それでも私は争いたくない。自分以外の誰かとは。 『自分』は宇宙並みに謎だらけの対戦相手だ。上限も限界もわからない。もし勝つこと…

大勢の人の前で話すのが苦手だ。スピーチに限らず、発表会などで多数の視線を浴びること。つまり、大勢から注目されるのが苦手なのだ。 「観客をジャガイモと思いなさい」なんて説もあるが… 本当に人がジャガイモに見える方がいたら、是非コツを伺いたいとこ…

呼び方ひとつで関係性は大きく変わる。それを実感したのは、後に最も信頼できる友人となる、Nちゃんとの出会いの場でした。 あれは長男が2歳になってすぐのこと。それまで住んでいた都会の賃貸が手狭になり、私たち家族は郊外のマンションを購入し、春先に越…

自然が大好きです。 心に靄がかかったり、なんだかザワザワするとき、自然界に身を委ねると一旦無に戻れる。というとなんだか格好いいですが、具体的には・・・ 「だからなんやねん」が落ち葉のごとく降り注いできて強制終了させられる、みたいな感じ？ 「だ…

人との会話は楽しいものだが、時々違和感を感じることがある。それは、話題の主人公を全て自分に置き換えてしまう人との会話だ。 誰かが提供した話題が、途中から違う人に乗っ取られて一人語りの展開になり、その場が微妙な空気に包まれる。 何かしら理由を…

以前、店主の愛想が悪いことで有名な珈琲店をわざわざ訪れたことがある。どんな人なんだろう？と、逆に興味をそそられて。 噂通り、とてつもなく無愛想な店主だったが…その店のコーヒーはとてつもなく美味しかった。 無愛想な店主が淹れる、奥行きのある味わ…

先日、突然髪を整えたくなり、当日予約ができる美容室を探して出かけた。 仕事時はまとめ髪だし、髪型にそこまでのこだわりはないほうだが…。とはいえ、こちらが伝えたイメージ通りに仕上げてもらうとやっぱり嬉しいものだ。 今回は初めてのお店だったからあ…

辛いことを忘れさせてくれる あなたの優しさが好き。 覚えていたいことを忘れさせる 意地悪なあなたが嫌い。 私の成長を見守る 温かな眼差しが好き。 私を老いに導く 冷たい仕打ちが嫌い。 果たして時間は 優しいのか意地悪なのか。 差し引きしたら ゼロなの…

あれは、高校生だった頃のある日の放課後。帰ろうと支度していると、現代文の先生に呼び止められた。私に訊きたいことがあるという。なんだ？なんだ？現代文のテストは昨日終わったところだけど… 先生は私を職員室に連れていき、隅にある応接セットに座らせ…

仕事帰りはいつも、職場から自宅まで3駅分の距離をウォーキングしている。今日は、ある理由から超ハイスピードで歩いていたのだが、反対方向から来たおばあちゃんが急に立ち止まったので、気になって声をかけた。 「大丈夫ですか？」 「ちょっと疲れてしまっ…

「頑張れ」や「頑張って」という言葉の取り扱いが難しくなった昨今。かけられて嬉しい人にとっては少し残念な傾向だ。 ・誰かを全力で応援したいとき。 ・誰かの背中をそっと押してあげたいとき。 ・誰かを応援したいけれど、口下手で他に言葉が見つからない…

親友一家が遠くへ引っ越すことになった。理由はご主人の転勤。子供は中学生の男の子と小学生の女の子が2人。多感なお年頃だ。 子どもたちの反応が心配だった。それぞれに友達も沢山いて、まさかこの土地を離れる日が来るとは夢にも思っていなかっただろうか…

あらゆる勘違いがこの世からなくなれば 世界はもっと穏やかになるだろう。 だけどもしかしたら それだって勘違いなのかもしれない。 「あの人、怒ってるかも…」と落ち込んでいたのに 相手はなんとも思ってなかった。 ホッとすると同時に感じる この寂しさは…

子供の頃、家族で電車に乗る度に、兄と競い合いをしていた。 自分の切符に印字された4つの数字を、足したり引いたり掛けたり割ったり。とにかく、数字を一度ずつ全部使って答えを「10」にするというシンプルなルール。先に答えたほうの勝ち。 数字の組み合わ…

『ポジティブ症候群』 そんな病気があるのだとすれば私は当てはまるのかもしれない。 10年ほど前、別の場所で言葉を綴っていた。内容はいわゆる「性善説」に沿ったものが殆ど。今よりもっと世間知らずだったせいもあるが、人そのものが好きで、誰の心にも備…

とうとうこの時が来てしまった。初めてのMRI検査。 何故イヤなのかって…それは私が閉所恐怖症だから。こんなに狭い装置の中で体を固定されたまま20分も？乗り切れる自信はゼロ。ふう… 「耐えられなくなったら押してね」と渡されたボタンの説明に頷くと、筒状…

「自分がされたら嫌なことは人にはしない」 物心ついた頃からこの教えを擦り込まれて育った。何の疑いもなくそうあろうと努めていたが、中学生になり衝撃を受けることになる。 「目には目を、歯には歯を」の復讐法 そう、歴史の授業で習う「ハンムラビ法典」…

職場のシステムエンジニアTくんは典型的な爽やかイケメン。趣味は映画鑑賞というのでオススメを訊いてみたのだが…予想外のジャンルに偏っていたので驚いてしまった。 スプラッター系？猟奇系？残虐系？えっ？まさかのそっち系？ 「血は苦手なんだよねー」と…

「この間、夫婦でドライブに出かけたんだけど、山道で夫がハンドルミスして崖から車ごと落ちかけてね」 「なんとかギリギリ止まれたんだけど、前輪が宙ぶらりんみたいになって…」 ゾッとする体験をケタケタ笑いながら語る職場の先輩のMさん。 「こんな状況、…

何かを始めるのには大抵きっかけがある。 先日、携帯内のデータ整理をしていたら懐かしい音源を見つけた。その音源をくれた友人とは長く音信不通だったのだが、ふと言葉を伝えたくなりほぼ衝動的にメールを送った。 もうアドレスが変わっているかもしれない…