住まいのマンション管理組合が発行している月報に、先日実施された「住み心地アンケート」の結果が掲載されていた。「御意見」の取りまとめ欄にあった、ある一つの意見に驚く。
「お掃除の方が挨拶をしない。気分が悪い。」
思わず首を傾げてしまった。私が日常的に目にしてきたのは、それとは逆の光景だったからだ。住人が通りがかるたびに「おはようございます。」と声を掛けてくれるお掃除の女性。それが見えていないかのように、返事はおろか、会釈すらせずに通り過ぎる何人かの住人たち。「ちょっと皆さん、なぜ返事をしないの?」心の声が叫ぶ。
男性が多い印象だが、女性も何人か見た。そのあと、その住人に私が挨拶したらほとんどの人は返した。(何人かは誰に対しても返事しない人がいるが、それはさておき…。)
嫌な気持ちにしかならなかった。郊外の分譲マンションのため、居住年数はみなそれなりに長い。終の住処と考えて購入した世帯も多いようだ。
暑いなか、寒いなかの外仕事は想像しただけで厳しい。夏は汗だくで、冬は寒さに手をかじかませながら廊下の手摺を拭いてくれる清掃の皆さんには頭が下がる思いだ。感謝しかない。
なぜ、「おはようございます。」「こんにちは。」ぐらいの返事すらできないのだろう。なぜ、人を分けるのだろう。同じ住民としてずっと恥ずかしく思ってきた。それなのに今度は「お掃除の人が挨拶しない。」とは…。
もし、しない方がいるとすればそれは、あまりにも住人から無視され続けたせいで心折れてしまったのではないか…。これまで、私から挨拶して清掃員の皆さんから返事が返ってこなかったことはない。皆さん、いつもにこやかに挨拶を返してくれる。「いつも綺麗にしてくれてありがとう。」そんな気持ちを込めてこちらから挨拶することに、何の不都合があるのだろう――
なーんて鼻息を荒くしていたら、
「俺はちゃんと挨拶してるで!」
「俺だってしてる!」
急に声高に主張し始めた息子たち。あ、いけない、いけない。少々興奮しすぎました。
偉そうなことを言っているが、私が挨拶することにだって大した理由があるわけじゃない。
ただ気持ちいいからやっているだけ。それだけのこと。なのである。
